大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2767 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A同B同Cの弁護人岡本繁四郎の上告趣意は、後記のとおりである。

上告趣意第一点について。

論旨は憲法違反を主張するけれども、その実質は単なる刑訴法の違反を主張する

に外ならないので、上告適法の理由にならない。のみならず、訴訟手続に法令の違

反があることを控訴の理由とする場合には、その違反が判決に影響を及ぼすことが

明らかであることを要するのであるが(刑訴三七九条参照)、仮りに所論のように

第一審の証人尋問手続に違法があつたとしても、ただそれたけでは右の違法は判決

に影響を及ぼすこと明らかな場合とは到底言うことができない。それゆえ、控訴を

棄却した原判決は結局正当であるから所論は採用できない。

同第二点について。

所論被告人Cは全く日本語を解しなかつた者でないことは記録上明らかである。

されば本件の場合は、刑訴一七五条により通訳人に通訳させなければならない場合

ではない。たゞ、刑訴一七五条は、本件のような場合に通訳人を付することを禁ず

る趣旨ではないので、第一審裁判所は第二回公判以後審理上適当の処置として通訳

人を付したのであつて、同被告人を国語に通じない者と認めて通訳人を付したので

はない(その後第一審第五乃至第八回公判では通訳なしで審理し、判決の言渡をし

ており、これに対して異議も申立てられていないことから見ても以上のことは明ら

かである)。それゆえ、第一審裁判所が通訳人を付しなかつたことに違法はないの

であるから、かゝる違法のあることを前提とする所論違憲の主張は理由がない。

同第三点について。

論旨(一)(二)は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない(原審は所論

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(一)の正当防衛は認められないと判断し、従つて第一審がこの点の判断を遺脱し

ても判決に影響がないとしたのである)。 また、本件には刑訴四一一条の事由も

認められない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二七年七月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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